沖縄に行かなくちゃ。
とにかく沖縄へ行かないと次へ進めない。
2005年末、僕は毎日うわごとのようにつぶやいていました。
長年勤めた映画配給会社を退社してから半年、
空手アクション映画を世界に送り出すのだと心に決めていたはず。
しかし、企画は全く進まず、 協力してくれる人も見つからず、
お金はもちろん集まらない。
まるで霧の中を歩いているような状態が続いていました。
世界が驚く空手アクション映画を作る。
だが本当の空手、空手の原点は何一つ知らないのではないか、
それで良いのか? 良いはずがない。
せめてまず知ることから、触れることから始めねば。
悩んだ挙句に様々な書籍を読み、映像を観て、
色々な道場を見学に行ったりもしました。
そんな中、一人の人物に魅入られていきました。
松村宗棍。唐手の達人で薩摩示現流を学んで首里手を完成させた人物。
彼の資料をかき集めるのが日課になりました。
その頃の日記にこう書いてあります。
「東京で資料をひねくり回している自分を松村先生が許してくれるはずが無い。
とにかく沖縄へ行こう。
沖縄へ行って空手の始祖達が生きた土地、吸った空気を感じて来よう。
そうすれば何かが変わるかもしれない」
沖縄の空手界につてなど全く無い自分。
それを繋いでくれたのは友人のカナダ人映画プロデューサーでした。
「八木明達先生に会え。先生なら必ず何とかしてくれる」
沖縄空手有段者の彼に言われるがままに、僕は沖縄へ向かいました。
(つづく)
※沖縄公開を記念して、JK FAN 7月号に収録された
西冬彦監督インタビュー「琉球空手とハイキック・ガール!」を掲載しています。
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by highkick-girl
| 2009-08-15 02:06
| 制作日記(DIARY)